何か変だよ、文芸誌「すばる」
「すばる」8月号がどうもオカシイ。じわじわと、読後の残像が、そう語りかけてくる。どこが?? 奥付を見ると、編集長が代わっている。だから? ってわけだかどうか分からないが、なんかチガウ雑誌に見える。パワーがない。お座なりの、講演でも聞かされた感じだ。
そしてついにその理由を発見。そう、講演だらけなのだ。
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/07/06
- メディア: 雑誌
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■大江健三郎「知識人となるために」p24-42・・・「東京大学創立百三十周年記念講演 ・二〇〇七年五月十八日」
■柴田元幸×沼野充義 対談「日本の文学・世界の文学」p130-142・・・「2007.4.24 東京工業大学世界文明センターにて」
■奥泉光×いとうせいこう 文芸漫談「G・ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』を読む」p190-208・・・「2007.5.22 北沢タウンホールにて」
■日高敏隆 最終講義「イマジネーション、イリュージョン、そして幽霊」 p209-223・・・「2007.3.30 新・都ホテルにて」
つまり、みんな、別々の目的と機会に行なわれた講演の採録ということ。奥泉×いとうの漫談は、いつもの通りだけれど*1、それにしても、これって、編集者の企画性の問題じゃないの。せっかく前回、プロレタリア文学の企画をやっていたのに。こういう外部講演の起こしばかりで紙面を埋めてゆくことじたい、どうなのよ、雑誌じたいの存在意義にかかわってくるのではないか。
だからこそ、注目しましょう、「すばる」9月号のラインナップに。
*1: